HOME > 社長室 > 東京京浜ロータリークラブ例会卓話「第19回木村準コンフィデンシャルレポート:拉致問題が動く」

東京京浜ロータリークラブ例会卓話

テーマ 「第19回 木村準コンフィデンシャルレポート:
 拉致問題が動く」
日時 2014年09月02日
会場 グランドプリンスホテル高輪


卓話の要約

<めぐみさんは生きているのか?>

 昨年10月9日菅官房長官は「生存を確信している」と発言したが、政府は生存に期待を持っているらしい。
 8月29日、石井元公安委員長が、自身の旭日大綬章受章記念パーティーで北朝鮮による拉致問題に触れ、「日本政府はいまだに横田めぐみさんらを返せと騒いでいるが、もうとっくに亡くなっている」と発言した。発言は拉致被害者家族等から多くの批判をあびた。
 北朝鮮は2004年に「めぐみさんは1994年4月に入院先で自殺した」と公式声明をだした。しかし、いくつかの生存情報が存在する。一つは、脱北した元北朝鮮工作機関幹部の証言で、彼は金正日総書記が2003年初めに「生存の場合と死亡の場合についての損得を分析し速やかに報告しろ」と工作機関に指示していたと証言している。
 また2011年には、韓国に流出した北朝鮮の2005年時の住民データに、めぐみさんと思われる身元情報があった──とする報道が韓国でなされた。

<直近の水面下交渉>

 政府関係者によると、日朝両当局間の水面下の接触で北朝鮮側が言及した点は下記である。
○最初の報告は9月前半で調整(第2週めどに)
○報告で具体的な成果を出す用意
○報告後に人道支援や追加の制裁緩和を要求
○核・ミサイル問題では「日本を狙っていない」と釈明

<中韓、北朝鮮崩壊シナリオを共有>

 中国は北朝鮮に対し石油制裁(対北朝鮮向け原油輸出の制限等)をしているといわれ、北朝鮮崩壊のシナリオが始まっているという識者もいる。この時期に、日朝の拉致問題が急展開していることと、中国の対北朝鮮政策が変貌していることとは決して無関係でない。
 そして、この北朝鮮崩壊シナリオを、中国と韓国がある程度共有しているからこそ、両国の蜜月状態があると考えたほうが自然だ。北朝鮮崩壊後は、韓国が北朝鮮をのみ込む。これによって中国と接することになる。併合後の「韓国」は、中国の「同盟関係」になるということだろうか?

<原油輸出ゼロのミステリー>

 年初、韓国の北朝鮮関係部署などは中国の対北原油輸出量がゼロを記録した事実に相当注目していた。中国が北朝鮮に送る原油を実際に閉じた場合、原油のほとんどを中国に依存している北朝鮮の特性上、経済・社会が麻痺し、中朝関係も根本から揺らぐことになるためだ。しかし、原油の供給が今年6月までの半年間中断されているが、北朝鮮に大混乱は起きていない。いわゆる、対北原油輸出をめぐる「ゼロ」のミステリーだ。