HOME > 社長室 > 東京大井・京浜・高輪ロータリークラブ合同例会「第18回木村準コンフィデンシャルレポート:張成沢粛清;何が起ったのか?」

東京大井・京浜・高輪ロータリークラブ合同例会

テーマ 「第18回 木村準コンフィデンシャルレポート:
 張成沢粛清;何が起ったのか?」
日時 2014年04月15日
会場 品川プリンスホテル


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卓話の要約

<死刑執行>

 朝鮮中央通信は昨年12月13日朝、張成沢氏について「12日の特別軍事法廷で、国家転覆を企てた罪で死刑判決を下し、即時執行した」と発表した。手錠をかけられた張氏の写真も朝鮮中央テレビが公開した。特別法廷は「政権への野心に狂って分別を失い。軍を動員してのクーデターを画策していた」と指摘した。

<背後に3者連合>

 朝鮮労働党の守旧派と朝鮮人民軍、国家安全保衛部(秘密警察)が手を結んだ瞬間、張氏の命運は決した。党・軍・秘密警察と金正恩第1書記をつなぐ三人の人物の動向が鍵を握ったとみられる。

<趙延俊(チョ・ヨンジュン)>

 今回の粛清は、金日成(イルソン)主席時代以来、幹部人事を握り、「党最大の実権組織」といわれた党組織指導部が主導したとされる。組織指導部をめぐっては、同部が管轄していた警察などの司法権を、金正日(ジョンイル)総書記が後継者(正恩氏)の後見役となる張氏の行政部に移譲した経緯がある。検閲部門トップの同部第1副部長には、たたき上げの趙延俊(チョ・ヨンジュン)氏が就任していた。「張成沢は純粋に党の人間ではない」。権限を奪われた組織指導部側はこう見下し、「張派排除が組織指導部長老らの宿願だった」とされる。

<崔 竜海(チェ・リョンヘ)>

 一方で、「党が派遣した純粋な党の系譜だ」と組織指導部内で評価されていたのが、軍を監督する崔竜海(チェ・リョンヘ)軍総政治局長だという。崔氏が昨年、金第1書記の視察に同行した回数は150を超え、側近中で突出していた。張派への「軍の不満」と「組織指導部の意向」を金第1書記に進言できる立場にいたわけだ。

<金元弘(キム・ウォンホン)>

 金主席時代から政敵の粛清などで中心的役割を担ったのは国家安全保衛部だった。張氏はこれまで保衛部幹部らの失脚にもかかわったとみられており、張氏への反発は部内に根強い。結局、金元弘(ウォンホン)部長は張派排除に同調、党・軍・秘密警察の“3者連合”が成った。

<早稲田大学重村教授>

 重村教授は「金正恩が全権掌握し、体制が固まったという分析は間違い」と述べている。また「張成沢は軍部と反張成沢勢力の親政クーデターに負けた」とも分析し、粛清の原因は下記の三つあるとしている。
 ①利権 ②反対勢力の処刑 ③国家保衛部柳京(リュ・ギョン)第一副部長の処刑

<太平洋統合情報センター:JICPAC>

 米軍太平洋統合情報センターは「張氏の処刑は金第一書記直接指導のもとに実施された。政府内で混乱した形跡は全く無い」とし、「金第一書記一人で決断した。完全な独裁者の位置についている」と分析している。また、極めて高い関心を寄せている人物として、金正日の娘、金雪松(キム・ソルソン、41)とその夫、シン・ボクナムを挙げている。