HOME > 社長室 > 東京府中ロータリークラブ例会卓話「北朝鮮・コンフィデンシャルレポート:三代世襲体制はどうなるか?」

東京府中ロータリークラブ例会卓話

テーマ 「北朝鮮・コンフィデンシャルレポート:三代世襲体制はどうなるか?」
日時 2011年4月6日
会場 むさし府中商工会議所


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卓話の要約

<延坪島砲撃>

* 2010年11月23日午後2時30分頃、北朝鮮は、韓国京畿道延坪島一帯に砲弾170発を砲撃した。そのうち80発が陸地に着弾し、韓国側に民間人2人を含む4人の死亡者がでた。韓国軍は13分後に80発の対抗射撃を行った。
* 米国の情報関連会社「ストラテジック・フォーキャスティング」が公開した、韓国軍の応射を受けた北朝鮮側の軍事施設周辺の衛星写真を見ると、応射砲弾は田畑に落ちて、北朝鮮軍施設には全く当たっていない。
* 韓国軍は自慢の韓国国産の155mm自走榴弾砲K9、6門で対抗射撃を行ったが、過熱により早い連続砲撃ができなかった。また北朝鮮の砲撃軌跡を捉える対砲レーダーが故障してしまった。通常は3~4分程で反撃開始し、1門当たり、1分間で6発の応射をするはずだったが、反撃開始に13分かかり、1分間で1発の応射しかできなかった。
* 李明博(イ・ミョンバク)大統領が、砲撃から2日後の11月25日、金泰栄(キム・テヨン)国防長官の辞意を受け入れたと、青瓦台(チョンワデ、大統領府)が発表した。今回の砲撃事件により、実質的に更迭されたとみられる。
* 哨戒艦沈没事件に続く砲撃事件には、三つの理由が考えられる。
①米国を交渉のテーブルにおびき出す ②金正恩の実績作り ③純粋な軍事行動。

<新たな権力闘争>

* 2009年4月初め、北朝鮮平壌中心街の中区域に位置する特閣(別荘)に、国家安全保衛部要員が乗りこんだ。隅々まで捜索したのに続き、ここに滞在した人が連行されるようにして車に乗せられた。ここは金正日(キム・ジョンイル)北朝鮮国防委員長の長男、金正男(キム・ジョンナム)氏の平壌での根拠地だった。驚くべきことに保衛部要員たちを送ったのは金正男氏の異腹弟である金正恩(キム・ジョンウン)氏だった。
* 2009年6月頃、金正雲(ジョンウン)氏の側近が、金正日委員長の長男、正男(ジョンナム)氏の暗殺を図った。中国政府筋によると、最近北朝鮮の有力後継候補に浮上した正雲氏側が図ったこの暗殺計画は、中国当局が阻止、失敗した。中国当局が北朝鮮内のこうした動きを事前に把握、正男氏を避難させた後、身柄を保護しているという。
* 軍など国家機関とは別に個人的な「暴力装置」が存在する。それが「烽火(ポンフア)組」なる、正恩氏の親衛隊的性格を持つ、北朝鮮のエリート層の子弟を集めて作られた組織である。
* 2004年にラスベガスで発覚した偽造紙幣事件や、2003年4月にヘロイン330ポンド(約150キログラム)を積載した貨物船「烽燧(ポンス)」号がオーストラリアで摘発された事件に、オ・セウォン(注・「烽火組」リーダーで国防委員会副委員長・呉克烈(オグクリヨル)の息子)が関与していたと西側情報当局は把握している。

<三代世襲体制はどうなるか>

* 北朝鮮は改革開放と独裁のジレンマに陥っている。改革開放に踏み出さないと、最貧国から脱出できない。改革開放路線と独裁は両立が難しい。三代世襲体制が崩壊する可能性は決して低くない。崩壊した時、どんなシナリオが待ちかまえているのでしょうか?