HOME > 社長室 > 東京京浜ロータリークラブ例会卓話「第13回木村準コンフィデンシャルレポート:米海兵隊、その抑止力とは?」

東京京浜ロータリークラブ例会卓話

テーマ 「第13回木村準コンフィデンシャルレポート:米海兵隊、その抑止力とは?」
日時 2011年3月1日
会場 グランドプリンスホテル高輪


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卓話の要約

<米海兵隊の概要>

米国海兵隊は軍政面では海軍省の管轄下にあるが、軍令面では海軍から独立し、海兵隊総司令官を統合参謀本部へ送り込んでいる。2007年の時点のデータでは、18万6千300人の現役将兵を抱えている。

海兵隊は世界のどこへも短期間で展開する、緊急展開部隊であり、陸、海、空の三つの機能を持つ、海兵空陸任務部隊である。

<指揮系統と構成>

米国では軍の最高司令官は大統領であるが、大統領が直接指揮するのは、地域別の6統合軍と機能別の4統合軍である。そのうちアメリカ太平洋軍は、約30万人の将兵を抱える地域別統合軍である。太平洋海兵隊は8万4000人の将兵を抱え、アメリカ太平洋軍の管轄下にある。太平洋海兵隊は第3海兵遠征軍を管轄している。

この第3海兵遠征軍が沖縄に駐留する海兵隊である。一部はハワイや岩国にも駐留しているが、2万1千人の将兵のほとんどが沖縄に駐留している。第3海兵遠征軍は第3海兵師団(6500人)、第31海兵隊遠征隊(2200名)、第1海兵航空団(6400名)その他で構成されている。

<再編計画:普天間移設とグアム移転>

在日米軍再編計画の沖縄に関係する計画は、「普天間基地移設」と「海兵隊のグアム移転」である。「グアム移転」の内容は「約8000人の海兵隊員とその家族約9000人をグアムに移転する」と「グアムに建設される施設の整備費102.7億ドルのうち、日本が60.9億ドルを支出する」というものである。

しかし、普天間基地の移設が、地元の反対により暗礁に乗り上げているので、グアム移転の実現も難しくなってきている。

<鳩山前首相の「抑止力後付け」発言>

鳩山前首相は本年2月12日インタビューに応じ、昨年5月に県外移設断念の理由として挙げた在沖縄海兵隊の「抑止力」について、「辺野古しか残らなくなった時に理屈付けしなければならず。『抑止力』という言葉を使った。方便と言われれば方便だった」と弁明し、抑止力は「後付け」の説明だったことを明らかにした。

また、米軍の一体運用さえ確保できれば県外移設は十分可能性があるとの認識を示すとともに交渉過程で実務を担う外務、防衛両省の官僚が県内移設に固執し、その“抵抗”に苦悩していたことも明かした。

鳩山前首相は2月14日更に釈明し、「普天間だけを考えたら『抑止力』といえるかどうか自信がなかった」、「『方便じゃないか』と聞かれ『そうかもしれない』と答えた、トータルとして米軍の存在が抑止力になっていると、今も思っている」と述べた。

<沖縄に米海兵隊が必要な五つの理>

山口昇、防衛大学教授は、中央公論5月号で、米海兵隊が必要な理由について、下記の五つの理由を挙げている。

①緊急対処能力 ②有事増援のベース ③地理的条件
④アジア地域の信頼醸成 ⑤日米同盟のバランス