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ICE97(IntelligentCommunityEvent)
「電子取引の将来--電子マネーを考える」

11月17日ICE97で,木村社長がサブセッションのコーディネータをつとめました.以下は内容の要約です.

テーマ 「電子商取引の将来-電子マネーを考える」
パネラー 日経デジタルマネーシステム編集長 松本庸史
通産省電子政策課課長補佐 松山泰浩
コーディネーター 木村ひとし


ICE97
会場風景…テレビカメラも入りました

コーディネーター問題提起

一昨年はモンデックスマネーの実験やシリコンバレーの研究が主な動きだったが,去年からは米国東海岸(銀行,クレジット会社)が動き出した.今年に入ってからもどんどん事は進んでいく.

電子マネーを分類するのにいくつかの分類法がある.
A:「ICカード型」と「ネットワーク型」
B:「現金型」と「プリペイド型」
D:「オープンループ」と「クローズドループ」

電子マネーというより電子決済という方が良いようなクレジットの電子決済やホームバンキングというものもある.

本日は「ICカード型電子マネー」に焦点を絞り,関連として電子決済や電子商取引を議論のテーマとしてゆきたい.

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「ICカード型に焦点を絞り…」

電子マネーは非常に便利だが,「使える人」「使えない人」の差が出てくる.また,電子マネーが普及して失業する人も成功する人もでる.その差はおおきくなり,社会現象として,新しい階級差みたいものも出てくる.

高級な電子マネーより,誰でも,どこでも使える,単にプリペイドカードや点数シールがICカードになった,草の根的な電子マネーが面白い.
小さな地域,団体でどんどん作っていけば良い.地域の青年会議所や商工会,が取り組む絶好の対象ではないか.

松本編集長

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1,電子マネーの種類

*クレジットカード型
問題点:コストが高い,三者間取引が大変,ソフトが重い,商店のメンテナンス負担が大きい.

*ICカード型
リアルの店だけではなく,パソコンと読み取り機があればネットワーク上での取引も可能.安全性が高い.
問題点:ICカード読み取り機が必要.

*ネットワーク型
パソコンにソフト的に「ウォレット(財布)」を作って,金銭価値を入れる.読みとり装置やICカードのようなハード的なインフラは必要ない.方法の変更にソフトで対応出来る.
問題点:不安感:捕捉しにくい:消費者保護の問題:犯罪防止の問題:ネットワーク上だけでのやりとりは今まで無かったもの,制度を確立してからと国内は慎重.

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「便利だけど問題も多いですね…」

2,電子マネープロジェクト
*モンデックス:ICカード型
*Eキャッシュ:ネットワーク型
*NTTマネー:ネットワーク型でICカード型を併用
*VISAキャッシュ:ICカード型
*サイバーコイン:ネットワーク型

3,電子マネー実験
*神戸実験10月開始,VISA中心,ICカード型(EMV)
*渋谷実験98年予定,VISA中心銀行も参加
*郵貯大宮実験,42の郵便局ICカードに金銭価値を移す.
ICカード内の金銭価値にも利息が適用.
端末と電話回線を利用し,ATMまで行く必要がない.
*新宿実験97年秋予定,NTTマネー使用の実験
NTTマネーの特徴
実名と仮名の利用,発行機関と金融機関の分離,発行機関の一元化によって混乱防止.

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「電子マネーの影の部分もあると思います」
*10月ニューヨークでモンデックスとVISAキャッシュの共同実験開始:銀行のATMでICカードに金銭価値を移転する装置が設置してある,ICカードからICカードへの転々流通性を持たせている.11月からVISAキャッシュはパーソナルATMを配布する.

通産省松山課長補佐

アメリカでは景気変動は無くなった,情報技術(オンラインショッピング,オンライン受発注管理)が十分浸透し「消費」と「生産」がタイムラグなしに上手く行くようになった.これによって企業が悩んでいた「在庫調整問題」が無くなってしまった.

日米の情報投資を比べる,日本の遅れは非常に目立つ.
米国は1990年1991年の不況時にも情化報投資行っており,その後も11%15%と高い水準.
日本は,1991年1993年以前高度成長時は10%15%記録していた,米国に追いつきかけた時にバブルが崩壊し,1993年情報化投資は-5%に落ち込む,1994年は0成長,1995,1996年モバイル系が伸びてきたが,5%,10%の低い成長率.

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日米比較:製造業で1対2,非製造業者(電子マネーも含めた金融分野で比較)で1対10,日本の伸びは低い.
ここ5年6年のATMオンライン化の銀行の伸びに加えて,オープンアーキテクチャーを利用してインターネットバンキング,もしくは電子マネーを加えて非常に高い伸びを示している.

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質問「消費者に有利なのは?」

情報化投資の違いに影響を与えたもの.
1.90年代半ばに進んできたInternetの商用化
2.コンピュータのアーキテクチャが変化:メインフレームからクライアントサーバ
このニュージェネレーションに日本がついていっていない,その一つの現れが金融決済分野,電子マネー分野

ICE97
質問「国際的な取り決めは?」

民間投資が情報分野,金融,生産,製造,企業内にどんどん情報化を進んでいかなければならない.
今は「オープン」「Internet」をキーワードに前に進んでいる.
電子マネー2つの側面
1.電子商取引
2.金融ビジネスの中での業務革新ツール
ブームに乗って技術開発をするだけでは,ユーザはついてこない.
鍵になるのは「メリット」「コスト」
「クレジットカード」「プリペイドカード」「小切手」「現金」それに変わる電子マネーのメリットをみんなで考えていく必要がある.