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東京京浜ロータリークラブ例会卓話

テーマ 「アーサー・F・シェルドン」
日時 2008年04月01日
会場 高輪プリンスホテル


卓話の要約

<アーサー・F・シェルドン>

  •  シェルドンがスピーチを行ったのは、計四回、1910年:シカゴ大会、1911年:ポートランド大会、1913年:バッファロー大会、1921年:エジンバラ大会においてであった。これ以外に、シェルドンの文献としては、The Rotarianに寄稿した二つの小論文がある。これらのスピーチと論文で、彼はロータリーの奉仕理念を語り、「He profits most who serves best」というモットーを提唱した。

<シェルドン派>

  •  ロータリー運動において、シェルドンの思想を重視する人達がいる。この人達を私は仮にシェルドン派と呼んでいる。シェルドン派の代表的論客が田中毅2680地区PGであろう。田中PGは「職業奉仕はシェルドンが提唱したロータリー固有の奉仕理念であり、シェルドンと異なる考え方はロータリーの職業奉仕とは言えない」と主張する。また「職業奉仕は科学的な企業経営方法であり、実利的なものである」と解釈する。さらに、次の様に主張している。
    ①「宗教に関連した天職論は職業奉仕と無関係」
    ②「職業奉仕が結果として職業倫理の高揚につながるが、職業倫理の高揚が目的ではない」
    田中PGは、職業倫理を重視する倫理派とも、宗教的な天職派とも、一線を画した立場を明確にしている。このような田中毅PGの話を聞いて、「眼からうろこが落ちた」と言って共感するロータリアンも非常に多い。

<天職派>

     天職派の代表的論客は佐藤千壽3580地区PGであろう。佐藤PGはロータリー運動の原点を、禁欲的プロテスタンティズムの精神構造とし、日本の伝統的職業観と一致すると考える。シェルドンの「He profits most who serves best」という考えも、ロータリー以前から、禁欲的プロテスタンティズムの精神構造として潜在していたと考えている。

<倫理派>

  •  職業奉仕を職業倫理と捉えるのは、割りと一般的な立場であろう。最近では企業コンプライアンス(法令遵守)も職業奉仕と捉えられている。倫理派の代表的論客は深川純一2680地区PGであろう。深川PGは「ロータリーは職業人の最も優れた倫理運動だ」と主張している。一般的倫理派の人達が、シェルドン派や天職派を批判する時の決まり文句がある。「古典主義」と「神学論争」という表現である。「シェルドンは博物館に入れろ」や「不毛な神学論争はやめよう」という言葉はよく聞かれる批判である。

<四大奉仕>

  •  シェルドンを最初に批判したのは、イギリスのロータリアンであった。伝統的プロテスタントのイギリスのロータリアンにとって、米国的なシェルドンの考えは軽薄に思えたのであろう。1927年オステンド大会において、イギリスのロータリーが提案した「四大奉仕」が決定された。Vocational Service(天職)という言葉は、実はこの「四大奉仕」の中で初めて使われたのであった。シェルドンはそのスピーチや文献の中でOccupation という言葉はつかっても、決してVocational Service という言葉を使ってはいない。この事実から、シェルドン派は「天職論はロータリーの源流ではない」と批判する。しかし天職派も負けてはいない。「シェルドン以前から禁欲的プロテスタンティズムの精神構造は潜在していた」と主張するのである。