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高岡ロータリークラブ例会卓話

テーマ 「中国は軍事的脅威になるのか?」
日時 2005年11月10日
会場 ニューオータニホテル高岡


卓話の要約

<中国の核は日本に照準を合わせている>

 日本でも、最近、中国の軍事的脅威が言われるようになりました。昨年中国潜水艦が日本の領海を侵犯した事や、最近では、東シナ海ガス田周辺に駆逐艦や潜水艦が出現した事が、日本人に脅威感を植えつけたのでしょう。確かに、中国海軍の増強は著しいものがあります。現在攻撃型潜水艦は55隻保有していますが、25隻調達予定で、16隻を建造中です。
 中国海軍の増強は間違いなく脅威ですが、中国の核の増強こそ、日本にとって本当の軍事的脅威です。中国は90年代中頃から核弾道ミサイル24発を日本に照準を合わせています。設置場所は中国と北朝鮮の国境近く通化(トンホア)基地です。近年には台湾の対岸に多数の核搭載ミサイルを配備し、これらの多くのミサイルが日本に照準を合わせていると見られています。

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<米国の中国脅威論>

  •  米国において、最初に中国の軍事的脅威を指摘した学者の一人が、ハドソン研究所のメンゲス博士です。博士は「中国:高まりつつある脅威」と題したレポートで、中国の大陸弾道弾や潜水艦の増強を指摘し、1998年には、日本の米軍基地への核攻撃の訓練を行った事を明らかにしています。その後、さまざまな中国脅威論が出てきましたが、その集大成ともいうべきものが、シンクタンクAEI(American Enterprise Institute)が主催した「大躍進:中国軍の将来」と題したシンポジウムでした。このシンポには第一線の中国研究者が参加しましたが、一番の注目人物は、このシンポ開催の一ヶ月前まで、国防総省中国部長であった、ダニエル・ブルメンソ-ルです。彼はこのシンポで、台湾問題に言及し、「中国は米国が軍事介入できないうちに台湾を降伏させる電撃作戦を考えている」と述べ、「米軍介入を防ぐため、日本国内の米軍基地へのミサイル攻撃の能力を高めている」とも述べています。

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<トライデントミサイルが中国の主要都市に照準を合わせる>

  •  米国と中国の核戦力を比較すると、圧倒的に米国が強い事が分かります。射程が米国に届く中国のミサイルはICBM40から44発にすぎず、他方中国に届く米国のミサイルは、ICBM550発に加え、潜水艦発射弾道ミサイルが432発と圧倒的に優位に立っています。一般には知られていませんが、到達時間こそ核の有効性を決める大きな要因です。到達時間が20分以下では、指導者の逃げる余裕が無く、第一撃で確実に核のスイッチを握る敵国の指導者を射止める事ができます。20分以下の到達時間を実現するのが、ミサイル潜水艦です。米国が配備しているオハイオクラスミサイル潜水艦は、到達時間の短い核ミサイルを撃つための潜水艦です。所有14隻の内8隻が太平洋に配備されています。それぞれにトライデントミサイル24発が搭載され、さらにミサイル1発に、10個の多核弾頭が装備されています。トライデントミサイルは射程が一万km、誤差は130mと言われています。常時3隻のオハイオクラス潜水艦が、中国の主要都市、軍事施設に照準を当てています。
     これに対抗して、中国も今年6月タイプ94型の新型ミサイル潜水艦から射程9000kmのJL2核ミサイルの発射に成功していま。94型潜水艦は16発のJL2核ミサイルを搭載していますが、中国はこの潜水艦を4-5隻建造の予定です。

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<本当に、米国は日本を守るのか?>

  •  確かに中国の軍拡はすさまじいものがあります。しかし米国に対抗するには程遠いものです。米国の指導者は口をそろえて、「中国の軍拡の目的がわからない」といいます。それは目的が「中国のアジア覇権」だと遠まわしに言っているのです。中国のアジア覇権の意図が現実のものとすれば、日本に核の傘を提供している米国は、果たして本当に中国の覇権から日本を守る意思があるのでしょうか?もし仮に中国が核を日本に向かって発射したとすれば、果たして、米国は核の反撃を行うのでしょうか?・・・・冷戦がおわり、日米安保の新しい意味が問われるとともに、この様な意味で日本国憲法が問われる時代になってきたのです。

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