HOME > 社長室 > 高岡万葉ロータリークラブ例会卓話「ロボット開発最前線」

高岡万葉ロータリークラブ例会卓話

テーマ 「ロボット開発最前線」
日時 2005年月5月6日
会場 ホテルニューオータニ高岡


TOP-P

卓話の要約

<ロボット産業の可能性>

 日本で21世紀に期待される産業はロボット産業である。自動車産業に匹敵するような可能性を秘めている。昨今のロボットブームに火をつけたのが、ホンダの二足歩行ロボット「ASIMO」である。1996年12月にASIMOの原型であるP2が発表され、2000年11月にASIMOが発表された。一方1999年6月にソニーのAIBOがインターネットで発売され、3000台を20分で売り切ってしまい、大人気であった。この二つのロボットがブームの突破口になった。もともと人間の代わりに労働をやるのがロボットだったが、人間型のASIMOも、必ずしも人間の労働をやるのではない。もう一つのAIBOはペット型ロボットである。ペット型ロボットのバージョン違いでは、エンターティメント型ロボットや医療目的の癒し型ロボットなど出現し、流れは思いがけない方向に発展してきている。ここ数年、技術系の学生や若い技術者にロボット研究を希望する人が多く、ロボット工学には非常に優秀な人材が集まってきている。外国ではこのような事例はない。ロボットは日本がリードできる産業であると経済産業省も研究開発の助成に力を注いでいる。

<最も癒し効果があるロボット>

 メンタルコミットロボット「パロ」は、タテゴトアザラシの赤ちゃんをイメージしている。特になでられることを検出する触覚センサーをふんだんに使ってあり、どのようななで方か、その違いを、センサーとコンピュータが判断する。メンタルコミットロボットは医療福祉の分野(ロボットセラピー)を目的としたロボットである。メンタルコミットロボットの研究は、産業技術総合研究所の柴田主任研究員が、1993年から調査を始めて 10年がかりで研究している。パロの開発は97年から始めて、99年に三代目のパロが紅白歌合戦に出演した。2000年に沖縄サミットのお土産用に、各国の首相の名前に反応するパロを開発依頼されたが、パロをお気に入りだった小渕首相が急逝され、プロジェクトは中止となった。その後01年に最も癒し効果のあるロボットとしてギネス認定され、04年施設へのリースが開始された。そして、本年3月に一般販売が開始され、好調な売れ行きを示している。

<ロボットセラピー>

 動物で癒すこと(アニマル・アシステッド・セラピー)は従来行われているが、リハビリ訓練や精神病患者の治療に使ったり、ペットに触れさせることで患者の健康状態をよくしたりする。ところが、実際の動物だとアレルギーや感染症が心配され、病院では使えない。そこをロボットでやろうというのがロボットセラピーの発想である。2000年に筑波大学付属病院小児科病棟や筑波市のデイサービスセンターで「パロ」を使ったロボットセラピーが初めて臨床された。「パロ」とふれあうことで、自閉症の子供が明るくなり、ロボットに話しかけることで人とも話すことができるようになった。また、入院生活でストレスがたまっている患者の心を癒すことも実証できた。現在では海外も含め多くの医療機関や研究機関で実証実験が行われている。今後の研究課題は、もっと抱きごごちをよくし、徹底的な癒し効果をねらうことや、センサーを使って患者の様子を携帯で見ることもできないかと考えている。メンタルコミットロボットには、まだまだ多くの可能性がある。