HOME > 社長室 > 京浜ロータリークラブ例会卓話「木村準コンフィデンシャル・レポート「ブッシュは何をやるのか」」

京浜ロータリークラブ例会卓話

テーマ 「第3回木村準コンフィデンシャルレポート:ブッシュは何をやるのか」
日時 2005年2月8日
会場 高輪プリンスホテル


卓話の要約

<一枚岩政権のはじまり>

 1月20日に発足したブッシュ第二期政権は、国際派のパウエル前国務長官やアーミテイジ前国務副長官を実質的に更迭し、史上最強の一枚岩政権となった。大統領選後の世論調査の低支持率やイラク情勢は気になるところだが、「1人勝ち戦略」ともいえるような強い外交戦略を推し進めようとしている。外交の基盤は世界最強の軍事力であり、軍改革によりさらに効率的な軍に変革しようとしている。
ブッシュ戦略のキーワードは「対テロ」「資源」「経済」である。中東は「対テロ」と「資源」が重なるところで、最重要地域である。アジアは「対テロ」としては北朝鮮等が挙げられるが、「資源」としては重要ではない。しかし「経済」としては中国、日本の存在が重要度をあげている。

<金正日のおわり>

 世界最強の米軍も中東と北朝鮮の二正面同時展開の余裕はない。したがって米国は北朝鮮には外交で対応せざるを得ない。金正日は今年中に核の放棄を認める事となるでだろう。もし認めないと、中国が金政権転覆に動くことになるだろう。
北朝鮮が核の放棄に踏み切らないと、米国は5カ国と協調して対北朝鮮への経済制裁に踏み切ることとなる。経済制裁でも更に北朝鮮があきらめないと、脱北者が大量に中国にあふれ出る。中国は国内事情で大量脱北者を受けいれることはできない。その場合、中国はやむを得ず金政権転覆に動くだろう。
金正日の立場も実はつらいものがある。拒否を続けても、金政権転覆だし、もし核放棄を認めても、権威失墜で政権は持たない。問題は転覆後の北朝鮮への対応である。ブッシュ政権内には、米国が転覆後の政権を作りあげる、という意見がでてきた。

<台湾有事のおわり>

 台湾の内政状況はまだ混沌としているが、五輪前に独立、という動きは十分可能性がある。その場合、中国はだまってはいない。しかし、通常兵力での台湾侵攻はむずかしい。通常兵力では無理でも、核ミサイルによる脅しは有効である。中国は台湾の対岸福建省とその近辺に核搭載ミサイルを400発配備している。
米国は台湾で軍事衝突がおきることは避けたい。なぜなら、最重要地域中東以外で、米軍を動かす余裕がないからである。したがって、米国は核ミサイル、パーシング2を台湾に売却する可能性がある。台湾海峡に核の均衡が成立すれば、たとえ、台湾が独立しても、台湾有事は起こらない。

<日米安保のおわり>

 2月4日、日米政府は日米新安保宣言に合意している。それによれば日米の共通戦略目標は東南アジアの「不安定の弧」や北朝鮮、台湾海峡危機に対処すること、とし、それが在日米軍再編の基本方針としている。前述のごとく、北朝鮮が解決し、台湾有事も起こらなくなると、目標は東南アジアとなるが、対東南アジアは日本の基地の必要は無い。グアムとハワイで十分である。 もはや、韓国にも、日本にも米軍の存在する必要性はない。ここに日米安保体制は空洞化し、安保と平和憲法の元、のうのうとくらしていた日本国はいやおうなく、ひとり立ちせざるを得なくなるわけである。