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東京お茶の水ロータリークラブ例会卓話

テーマ 「北朝鮮の動向」
日時 2016年09月07日
会場 ホテルグランドパレス


卓話の要約

<政治動向>

北朝鮮労働党大会:5月6日:北朝鮮は36年ぶりに北朝鮮労働党大会を開催した。金正恩第一書記長は意外にも背広姿で壇上にたった。 第一書記長の左には、序列第2位、金永南、最高人民会議常任委員長が座り、右側には、序列第3位、黄炳瑞、朝鮮人民軍総政治局長が座った。 党序列に大きな変化はなかったが、序列第4位には朴奉柱、内閣総理が位置し、序列第5位には、崔龍海、政務局副委員長が座った。 序列20位までは80代、70代で占めているが、崔龍海は66歳と北朝鮮の指導者としては若いのが目立っている。 しかし彼は一時序列3位に昇ったが、突然行方不明となって、「粛清されたか」と報道された。しかしカムバックして、序列第5位に座っている。
6月1日、北朝鮮高官李洙墉(リ・スヨン)氏が習近平総書記と会談した。 背後には朴槿恵・韓国大統領の親北朝鮮アフリカ諸国歴訪と、それ以前の米国による中韓蜜月離間外交がある。

<ミサイル発射>

北朝鮮はここの所ミサイル発射を立て続けに行っている。 6月23日に、グアムまで届くムスダンを成功させ、8月3日にはノドンを秋田県沖250kmの排他的経済水域に着水させた。 そして8月24日潜水艦から弾道ミサイルを水中発射し、500km飛行、ミサイルは日本の防空識別圏に落下した。

<核保有>

北朝鮮は今年1月、4度目の核実験を成功させたが、今回は水爆実験だったと発表している。
昨年2月米国ジョンズホプキンス大学ジョエル・ウィット研究員は「北朝鮮の保有核兵器はプルトニウム型が6~8個、ウラニウム型が4~8個」と明らかにした。また、「プルトニウム型核兵器は、中距離ノドンミサイルやテポドン2号ミサイルに搭載するのに充分なほど小型化された」と述べた。

<体制崩壊>

米国のウェンディ・シャーマン元国務次官は5月3日、朝鮮半島関連セミナーの昼食会で発言し、「北朝鮮で内部崩壊またはクーデターが起こる可能性を想定するのは不可欠であり、韓国と米国、中国、日本が速やかに協議を行うべきだ」と述べた。
米軍と韓国軍は北朝鮮崩壊に備え、作戦計画5029を策定している。想定は ①北朝鮮におけるクーデター、革命、大規模亡命・大量脱北、大量破壊兵器流出 ②北朝鮮国内における韓国人人質事件、大規模自然災害、③その他「体制を動揺させる急激な変化」が発生した場合である。
3月7日から4月30日まで米韓合同軍事演習が行われたが、この演習では「5015作戦計画」に基づいた演習が行われた。「5015作戦」の核心は「斬首作戦」である。奇襲攻撃をかけて、権力指導部を排除し、攻撃を未然に防ぐ作戦のことである。「斬首作戦」で要人の暗殺を担うのが米陸軍第75レンジャー連隊である。同連隊は2011年に邸宅でビン=ラーディンを殺害したが、核・ミサイルの除去、制圧だけでなく、金正恩第一書記ら指導部を暗殺する役割を担っている。

<日本への脅威>

北朝鮮が日本をミサイル攻撃する場合に用いられる弾道ミサイルは、スカッド-Cを改良したスカッド-Dとノドンならびにノドン-2である。最大射程距離が700キロメートルのスカッド-Dの場合、岡山県から長崎県にいたる中国地方と九州北部が攻撃圏に入る。
最大射程距離が1300~1500キロメートルのノドン、ノドン-2ならば、日本全土が攻撃可能だ。 朝鮮人民軍は、それらの対日攻撃用弾道ミサイルを300基程度保有しており、地上移動式発射装置(TEL)もスカッド用、ノドン用それぞれ50両以上は保有している。
北朝鮮は少なくとも100発の各種弾道ミサイルを日本に対して連射できる攻撃能力を保有していることになる。