HOME > 社長室 > 東京京浜ロータリークラブ例会卓話「続 ユビキタス社会がやってくる」

東京京浜ロータリークラブ例会卓話

テーマ 「続 ユビキタス社会がやってくる」――21C Future Technology――
日時 2001年9月4日
会場 高輪プリンスホテル


TOP-P

卓話の要約

<続・ユビキタス社会がやってくる>

 「ユビキタス」とは、人工頭脳(=コンピュータ)とそのネットワークが「遍在と自律」することです。「遍在と自律」した人工頭脳はさらに、「自己増殖と進化」するというのが、私の意見です。 様々な未来技術の発展が、「ユビキタス」を実現させていきます。 先回は燃料電池、クローン、ES細胞やロボットについて前回お話しましたが、今回は、微細なものを扱うナノテクノロジーや人工頭脳そのものの未来技術つまり、マイクロエレクトロニクスについてお話します。

<ナノテクノロジー>

 ナノテクノロジーは未来技術の鍵となるものです。膨大なデータ保存、超高速通信、水素製造、大気汚染物質の分解や鉄の十倍の強度の材料などを実現する可能性があります。ナノテクノロジーには次のような技術があります。原子や分子の操作、自己組織化、極限の微細化や新材料です。セイコーインスツルメント社製の集束イオンビーム装置は5ナノメートルのレベルの加工をします。走査トンネル顕微鏡は分子や原子を見ることができるだけでなく、原子や分子を持ち上げたり、移動させたりすることができます。フラーレンという人工的に作られた、サッカーボールの構造をもった炭素は、様々なナノサイズの形状を作り出す事を可能にし、他の分子と結合しても、様々な形状を作り出すことができます。NEC筑波研究所の飯島澄夫博士はフラーレンの両側を破ってつないで、チューブ状の物を作りました。これはナノチューブとよばれ、多くのすばらしい特性をもつ材料となりました。細くて、軽くて強い、導電性で、中空の中は真空です。他の原子を取り込んだり、電子を放出したりします。ナノチューブに水素を取り込み、水素貯蔵の目的で使用すれば、ペットボトル一本で燃料電池車を500kmから一千kmも走らせる事も可能です。

<マイクロエレクトロニクス>

 コンピュータのCPUやメモリーを作る集積回路は毎年集積度が上がっていきます。しかも未来技術では、さらに飛躍的に集積度が向上するのです。有機分子を回路素子とする分子コンピュータ、DNAを素子とするDNAコンピュータなどが、集積度向上の方法として研究されています。さらに、分子一個のイオンにより、メモリーを作ることも、アイデアとして考えられています。量子技術から通信、セキュリティや演算を実現する方法も考えられています。量子コンピュータは1980年ファイアマンにより提唱されました。実現されると、とてつもない速さの演算が可能です。スーパーコンピュータで一年かかる計算が、0.1秒以下でできるそうです。これを実現するには、多くの、極めて困難な問題をクリアーしなければならないので、到底無理と思われていましたが、1999年NEC基礎研究所の中村泰信研究員は超伝導ジョセフソン素子を用いて、量子演算に成功し、量子コンピュータの論理回路が実現できる事を、世界ではじめて示しました。