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東京京浜ロータリークラブ例会卓話

テーマ 「続・IT革命の行方」
日時 2000年7月25日
会場 高輪プリンスホテル


TOP-P

卓話の要約

<前回のおさらい>

 前回、IT革命とは、技術の発展とインフラの発達があって、それを使ったビジネス(エレクトロニクスコマーシュ)が発達して、それが社会を大きく変えていく、これがIT革命であると説明しました。又、e-Business(e―Commerce)はどんな物かということ、携帯電話などの新しい端末が非常に重要な事柄になるということ、デジタルディバイド(コンピューターを使える人と使えない人の格差)ということ、IT化された世界では、アメリカが世界支配をするのではないか、ということ、では日本はどうすれば良いか、というような内容を話しました。
 この話の中で一番のポイントは、IT革命とは、コンピューターとかコミュニケションの技術が発達して、職業や家庭にコンピューターが普及し、それがネットワークで繋がる。そしてインターネットビジネスが始まり、それが色々な所で社会への波及効果を及ぼす、と言うことです。

<政治の対応>

 現在、政府のほうもIT政策に本腰を入れてきています。「IT戦略本部」や「IT戦略会議」を設置し、「IT相当大臣」を中川官房長官に任命し、自民党内に「IT対策戦略チーム」を結成しました。あるいはITをサミットの重要課題にしました。政治的な対応は始まってきています。中川IT担当相は、「通産・郵政にまたがる新しい機関を設置する」、「IT費を次期国会に提出する」と言っています。そして「日本新生プラン」の中に、「IT戦略会議」「産業新生会議」の提言を反映していくと言っています。新生プランでは法整備として、政府が調達あるいは申請等にITを生かす法制度を作ると言われています。
 サミットに於いては、プレサミットとして、全世界から「ITドリームチーム」の面々が集まり、IT円卓会議が行われました。本会議の共同宣言には、IT が盛り込まれ、同時に「沖縄IT憲章」が採択されました。その内容はITの振興やネットの不正やデジタルディバイド等の問題への対応ということでした。日の目をみて、憲章に盛り込まれた事項の影で、交渉の過程で、削除されてしまったテーマもあります。「ビジネスモデル特許の国際的基準作り」がテーブルに上がっていましたが、アメリカの企業の競争力が削がれると言う理由で、アメリカ側から反対され、最終的に削除されました。逆にアメリカに押されて、強引に、決定されたこともあります。日本がIT振興の途上国支援のため、150億ドルを出すと言うことを約束させられました。
 IT憲章の評価としては、「ITが、経済的にも流れが本物である」と世界的が認めた。と言う事で評価すべきだ、という意見がある反面、内容は過去に討議されたものであり、目新しい物はない、と言う評価もあり、意見が分かれています。サッミトは舞台裏の出来事にこそ、大きな意味があります。

<ITの普及とECの市場予測>

 東大社会情報研究所の調査では、インターネットの個人利用率は25%、つまり4人に一人がインターネットを利用している、と報告しています。しかし世界的には、人口あたりの普及率は10位より下です。
 ホスト数のデータは米国の73.4%とダントツの強さを示しています。2位は日本の3.6%です。
 2003年のEC(電子商取引)の市場規模は、BtoCで3.16兆円、BtoBで68.4兆円程になると予測されています。BtoCでは、旅行、自動車販売、パソコンが上位のシェアを占めます。BtoBでは、電子情報産業、自動車産業、建設産業が上位のシェアを占めます。

<ITの経済効果>

 IT関連の経済はIT生産、IT投資、IT消費のどれを見ても、拡大しています。ITのマクロ経済への効果は、「生産性の向上」と「雇用の純増」、「インフレの抑制」であると思われます。しかしその反面、デジタルデフレと言われる、価格低下により中小製造業が悪化し失業者が増える可能性も指摘されています。販売業でもいわゆる「中抜き」が起こり、失業者が出る、と言われています。さらに企業の海外進出により、「IT栄えて雇用なし」の様な問題が起きます。さらに、ITが進むと、「ヘッジファンド」とかが、好き勝手な活動を行い、経済が大混乱に陥ることもあり得ます。

<IT革命の行方>

 IT革命とは、情報とか物の流れとかが、ものすごく高速になり、効率化は行われるのですが、システム的には極めて不安定な状態に陥ります。そういうものを許すと、モラルや道徳、へたすれば国家まで無くなり、文化、伝統まで影響が出てきて、果たして人類にとって良い物かどうかと言うことになってきます。では、日本はどうすればよいかというと、アメリカみたいに行きすぎず、ヨーロッパみたいに保守的になりすぎず、第4の道を行くのが得策だと思います。